恋は盲目という言葉がありますが、実際に本気で誰かを好きになったときには、それまで全く考えられなかったような大胆な行動をしてしまったりするものです。
この盲目状態は実は科学的根拠に基づくものであり、「好き」という気持が高まることにより、正常な判断力ができなくなってしまうことがわかっています。
セロトニンの働き
誰かを好きになったとき、人は興奮状態が高まりますが、このとき脳内ではドーパミンという快楽物質が多く分泌されていきます。
このドーパミンは分泌されることにより脳内に快楽をもたらし、気持の昂ぶりをより高めていくのですが、その反対の働きをするのが同じく脳内物質のセロトニンです。
セロトニンは別名「脳内モルヒネ」と呼ばれることもある興奮抑制物質で、セロトニンの分泌が高まると反対に気持が落ちつきリラックスした状態になります。
しかし恋をすることにより過剰なドーパミンが分泌されるようになると、気持を落ち着かせるセロトニンの働きが弱くなってしまうため、冷静でいられることができなくなってきます。
またセロトニンは人がストレスを感じたときに気持を安らがせる働きもするものであるため、分泌量が少なくなると人は不安や恐怖をより強く感じるようになります。
つまり興奮状態で快楽を感じていると同時にまた、不安や悲しみといった感情を強烈に感じてしまうことになるため、これが恋をしたときの不可解な行動に結びついていくのです。
人は恋に落ちた時、通常であれば確認するはずのことをしなかったり、また明らかにおかしいと思えるようなことを簡単に信じてしまったりします。
人が恋に落ちた時の例
ありがちな例として、町中を歩いていたら急にタイプの異性に話しかけられ、そこから急激に仲良くなったような場合があります。
冷静になってみればそうした突然降って湧いたような恋愛などあるはずないと思うところですが、一度恋をしてしまうと相手を疑うことは意味がないと判断をしてしまい、仕事や年齢、既婚かどうかといったことをあえて質問したり探ったりしなくなります。
それであとから品物を売りつけられたり宗教に勧誘されたりするという例もあり、一度踏み込んでしまったことで後戻りができなくなってしまうような例もあります。
最も恋をすることは悪いことではなく、何かや誰かを強烈に好きになることでそれまで引っ込み思案であった性格が一変したり、はっきりものを言えるようになったりもします。
良い恋愛をするためにも、普段から自分の姿をしっかりと見つめていきたいですね。